『DAVID BOWIE/LOW』

velvet-moon2005-03-04

大好きなデヴィッド(デビッド)・ボウイを語るのは楽しいけれど困る。名作は多数。今回はベルリン3部作の第1弾となる「ロウ」をご紹介。元ウルトラヴォックスのミッジ・ユーロもこのアルバムが好きだと語っていたのを読み嬉しくなったものだ。そう!ボウイはNEW WAVEの父なのだから。パンクの嵐が吹き荒れるニューヨーク〜ロンドン。そんな中、ボウイはブライアン・イーノイギー・ポップ達とベルリンに活動の場を移し制作していた。この「ロウ」は1977年の作品。(パンク後期からNEW WAVEと呼ばれる様々な音達が現れる。その予兆をこの作品に感じ取る事が出来る。)

このアルバムは片面(B面)は、ぽぼインストゥルメンタル。(アメリカでの生活、ドラッグの起因も大きく影響し、言葉を発する事が出来ない程の心労ぶりだったと伝え聞く。ボウイが一度落ち込むと壮絶な様だとラジオでDJさんが語っていた)。後にボウイ自身も「存在証明のような作品」と回顧語録にある。タンジェリン・ドリームクラフトワークとの交流もあった、このベルリンで生み出された無機質な冷たい音色はB面によく表れている。ボウイの造語と言われる呪術的なヴォイスが入る「Warszawa」を聴き硬直したものだ。プログレ〜ニュー・ウェイヴという橋渡し的存在でもあるボウイ。イーノも欠かせない。

A面ではイギーのヴォーカルも聴ける。シンセサイザーを前面化したクールな楽曲達が並ぶけれど、A面ではポップミュージックの第一人者此処にあり!というモダンでボウイらしいねじ曲がったポップ・ナンバーが軽快だ。ポンカラと響くシンセ・ドラムの音色。この後、続々とエレクトリック・ポップ(エレポップ)なグループが登場する。クラフトワーク〜ボウイからゲイリー・ニューマンジョン・フォックス....という系譜の中でもとても重要な作品である。

[1977] DAVID BOWIE ★ LOW