『METRO/SAME』

velvet-moon2005-03-05

嘗て日本だけに存在していたと言われる(そういうのは多いけれど)音楽ジャンルに「モダーン・ポップ」と称されていた音楽達がある。そんな中で一際好きなのがこの「メトロ」の1976年の1stアルバム。メンバーはピーター・ゴドウィン、ダンカン・ブラウン、シーン・ライオンズの3人。(「モダーン・ポップ」と題された編集カセットテープを友人から頂き存在を知る)。

ダンカン・ブラウンは英国屈指の名ガットギターの名手として有名で、ソロ作品も6枚リリースしていたけれど、癌の為お若くして他界されてしまった。でも、このMETROを私は聴き好きになった時点で、彼らの作品は私なりに生き続けていることを悦ばしく思えてならない。

スパークス、ビ・バップ・デラックス(ビル・ネルソン)、セイラー、ルイス・フューレイなどに似た感触を感じ特にお気に入りだった。それは、デヴィッド・ボウイロキシー・ミュージックが既に大好きだったのでとても自然に感じられたのだと思う。彼らのどこか退廃的な空気、屈折した歪んだポップ感覚がどうも相性が良い様だ。NEW WAVEなる音楽達と10代から成長してきたけれど、何故か隠れプログレ好きでもあったのでこの作品ではもう少し付け加えておきたい。

それはドラムのサイモン・フィリップスブライアン・イーノ、フィル・マンザネラの801で個人的には知ったけれど数々のアーティストとセッションしている。そして、ベースのジョン・ギブソン(ブランドX等)、さらに、ヴァイオリンではグラハム(グレアム)・プレスケットまで参加!彼はトゥリーズ、ルイス・フューレイ、スラップ・ハッピー等の名作に名を刻んでいる。

プログレグラム・ロック〜ニュー・ウェイヴという流れを汲む佳い作品ながら、時代的には危うく埋もれそうになっていた作品なのかもしれない。しかし、1983年に流石!のボウイは「LET'S DANCE」の中で流麗にカバーする。極一部の友人達と大騒ぎしたのが昨日の事の様。解散後、ピーター・ゴドウィンはややニュー・ロマンティック(ニューロマ)風なソロ作品もリリースしたりしていた。

[1976] METRO ★ SAME