『DAVID BOWIE/HEROES』

HEROES

ボウイのアルバムは全てお薦めという上で、個人的にベルリン3部作は特に好き。
アメリカでの生活からヨーロッパに回帰。ブライアン・イーノロバート・フリップの協力の下、ベルリンで1977年に製作された。時はパンク!これらのアルバム、ボウイの動向がパンク以降のニュー・ウェイヴ・ムーブメントに与えた影響はあまりにも大きい。

鋤田正義氏によるジャケット。エゴン・シーレを意識した独特のポーズと、瞳孔が開ききっている失明した片目がクローズアップ。2004年、その瞳にボンボンの棒がライブ中突き刺さるという事件が起こった。何か宿命的なものを背負ったアーティスト、ボウイにはそんな殉教者的なものさえ感じてしまう。

抽象的な歌詞が大多数を占める(バロウズが用いたカットアップ法をボウイも用いていたりする)中、このタイトル曲でもある「ヒーローズ」(英雄夢語り:邦題)はボウイ流のメッセージ色を含んだ曲であり、数ある名曲の中の1つであることは誰もが認めるところ(のハズ)。

映画「クリスチーネF」にも出演している。その中ではドイツ語ヴァージョンでも聴ける。ボウイは京都がお気に入り。このアルバムの「Sense Of Doubt」では琴をも演奏している。

「ジギー・スターダスト」が名盤なのは勿論だけれど、この「ヒーローズ」もボウイの作品群の中で欠かせない名盤。


[1977] DAVID BOWIEHEROES