『LES ELLES/SAME』

velvet-moon2005-03-07

この「彼女たち」というグループの1stアルバムの強烈な印象は今も色褪せない。フランスの女の子ばかり4人によるグループで、出身はパリではなく西部のノルマンディ。

何が、何処が好きかと言うと「可愛くて狂ってる」そんな楽しさ。フレンチの音楽の入り方にも色々。店長はミシェル・ポルナレフシルヴィ・バルタンを少年期にビートルズキング・クリムゾン等の音楽たちと同じ「洋楽」として聴いていた。もう少し若い私も、ブリジット・フォンテーヌフランソワーズ・アルディを少女期にデヴィッド・ボウイケイト・ブッシュ等と一緒に、「フレンチ」というよりも「洋楽」として。そんな具合でVELVET MOONのフレンチ・ポップスの在庫は時々風変わりなものが混在している。所謂「オシャレ系」な品揃えではないのだとも思う。(フレンチ・ダサイ系なる用語もお若い方々の間では使われていると先日知ったばかり。ちょっとショックを受けたけれどなるほど〜とも思えたり。)

こんな私達がこのLES ELLES(レ・ゼル)を大推薦しない訳にはゆかない。あまりにも自然に楽しめる。可愛いヴォーカルなのに突拍子もないリズムとメロディ。歌詞もかなり猥雑かつ文学的というか...ブリジット・フォンテーヌをお若くしてセルジュ・ゲンスブールの世界がス〜っと入り込んできたかの様。そんなどこか不思議なファンタジックさに溢れた楽曲達で構成されている。

ほとんどの楽曲をヴォーカルのパスカリーヌが担当(「MADE IN NORMANDIE」という曲だけは、60年代から70年代に多く作品を残している男女デュオのストーン&シャルダンのカバー)。その個性的な歌声をバックで支えているのは、ソフィー、サラ、クリスティーヌ。アコーディオン、ピアノ、チェロ、マンドリン、パーカッション等の各楽器も大仰しいものではなく実にシンプルに響く。その辺りのコンビネーションも絶妙だと思う。好き嫌いは分かれるタイプの音楽かもしれない。でも、実に愉快なのだ。愉快と不愉快は紙一重だとしても。

[1995] LES ELLES ★ SAME